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クレドポーボーテ:シナクティフを体験してみて

クレドポーボーテ:シナクティフを体験してみて

デパートのカウンターを訪れることに敷居の高さを感じていた数年前。
しかし、次第に臆せず訪れることができるようなり、
気づけば高級ブランドのカウンターにも足を運べるようになっていました。

でも・・・・
最後、どうしても訪れることができなかったのが「クレドポーボーテ」でした。

どこか人を寄せ付けないオーラがカウンターから発せられている気がしていました。
それを押して勇気を出して訪れたとしても、
「あなたのくるところではない」と冷たくあしらわれて、
撃沈させられることが目に浮かぶようで、その門を叩くことができずにいました。

そんなある日、催事で、クレドポーボーテが出店していました。
ちょっとガサガサした雰囲気の中でメイクサーピスをしていました。

兼ねてから、興味があったブランドです。入りやすさも手伝って、
スキンケアアイテムに興味があったので、お話を覗ってみました。
サンプルがないのか伺ったところ、引換チケットをいただきました。

そのチケットは、大手を振ってクレドポーボーテのカウンターを
訪れることができる、パスポートのようでした。



■敷居の高い別世界のカウンター
カウンターに訪れました。
あの12万円のクリームをラインに持つクレドポーボーテです。
ちょっと緊張です(笑)

お客さんも当然、ハイクラスの方たちでしょうし、
その接客にあたるBAさんたちも、特別の研修を受けた
精鋭部隊なのだろうと思っていました。

日頃、ハイクラスの顧客を相手にしているBAさんたちの
接客手腕にも興味がありました。
しかし、その対応は、お客さんを当然、選ぶのだろうと想像され、
しかるべき人に対してだけ、しかるべき対応をするのだろう。
ぶらり訪れた購入の意思もなさそうなお客さんには、
丁寧だけども、慇懃無礼な接客になるのだろうと思っていました。
とはいっても、高級ブランドなりの、
イヤミを感じさせない遠ざけ方もあるのかもしれないと・・・

幸いなことに、今回、サンプルチケットを持参した効果はあったように思います。
とても丁寧な対応でした。
簡易的な肌測定なども行っていただきました。

  ○水分量:23
  ○毛穴 :目立たない
  ○きめ :57才 (+4才)

応対も緊張を感じさせられることなく、フレンドリーな会話でした。
とは言っても、節度はしっかり保たれていて、砕けすぎることもありませんでした。

シナクティフの商品や使い方の説明を受けながら、
リンパマッサージの方法も、パンフレットを見ながら、
丁寧にしていただきました。

さらには、サロン会が行われるので、ご都合がよければいかがですか?
というお誘いもありました。

クレドボーボーテのサロン会なんて怖すぎます(笑)
でも、興味があります。
こんな高級ラインのサロン会は、参加したくても、参加できるものではないはず。
これを逃したら・・・・と思い、予約をさせていただくことにしました。

サロン会の様子はこちら ↓
  ○クレドポーボーテのサロン会に参加
    →https://beautist.cosme.net/article/438555

■シナクティフの総合的な感想
サロン会の様子は、また別で記事にしようと思いますが、
シナクティフを使った「総合的」な印象を残しておこうと思います。

シナクティフのサンプル用のパッケージはさすがに違います。
一つ一つのサンプルが、台紙に止められ、さらに
それらをはさむためのファイル構造になっていて、
サンプルをまとめたカバーで覆われています。
豪華なサンプルは1日分です。それを2個、いただきました。
そして、サロン会でレクチャーしていただいたのを合わせて、
使ったのは、都合3回だけです。

それだけで何がわかるの? と思われる部分もあると思いますが、
意外にも、使い慣れてからの感触の前に、最初に感じた感覚というのは、
製品の特徴をとらえていたということが、
これまでの経験で何度かありました。

ということで、これまで近づき難かった高級ブランドの
コスメの記録を残しておこうと思います。

個々の製品については、下記に口こみしました。

○サボン
  →https://www.cosme.net/product/product_id/10084897/review/504467983  
  →https://www.cosme.net/product/product_id/10084897/review/504514220

○ローションイドラタント
   →https://www.cosme.net/product/product_id/10084898/review/504510116

○イドラタンニュイ
   →https://www.cosme.net/product/product_id/10084901/review/504510130

○イドラタンジュール
   →https://www.cosme.net/product/product_id/10084899/review/504510158

○クレーム
   →https://www.cosme.net/product/product_id/10084902/review/504527763
   →https://www.cosme.net/product/product_id/10084902/review/504468013


ひととおりのシナクティフを使ってみて、個々の口こみでは書けない、
総合的な作用があると思いました。
それについて次に記します。




■ラインで使うことが絶対(?)条件の構成

◆サボン
●化粧水の吸収のよさ
最初に使ったサボン。
クレンジングと洗顔を兼ねています。

強く感じたのは、化粧水の吸収の良さでした。
それは、この商品がそういう商品であることを知らずに使っても
感じることができた感触です。


●保湿が弱い
一方、洗顔後、すっきりした洗い上がりなのですが、
「保湿感が弱い」と思いました。でも、つっぱっているわけではありません。

  それは、日頃、使っている洗顔の感触の影響であることが想像されます。
  日常的に使っている洗顔は、「洗い上がりの保湿効果」を謳っています。
  この「保湿効果」は、調べてはいませんが「ケミカル」によるものだと思っています。
  ただ、その「ケミカル具合がとても心地よいバランス」で処方されているため、
  「ケミカルの不自然さを感じさせないしっとり感」なのです。

おそらく、サボンには、しっとりと感じさせるうるおい成分(ケミカル的な)が、
含まれていないように感じました。
そのため、さっぱりな洗い上がりです。つっぱりもありません。
でも、プラス方向の「潤い」を感じることができないのではと。

  おそらくここにも、日常使う洗顔の慣れがあると考えられます。
  ほどよい「ケミカルの潤い」に慣れてしまった肌には、
  このサボンの洗い上がりは、「潤いに欠ける」ように感じてしまいます。

  一方、資生堂の処方に慣れていたり、洗顔後、つっぱりを感じやすい方は、
  「つっぱりがない=潤い」と捉えていることもあるように思いました。
  「ケミカルによるプラス方向の潤い」に慣れている人が感じる潤いと、
  本来の洗浄という機能に伴いがちなつっぱり。
  それがないことで感じる「潤い」の感じ方の違いがあるのではと思いました。


それゆえに、このサボンの洗い上がりに合わせて処方された、
「保湿液」を使うことは、非常に意味を持ってくると考えられます。

シナクティフの化粧水にあたるアイテムは、
「化粧水」ではなく「保湿液」です。
洗顔によって感じにくかった潤いを、
「保湿液」で補完しているのでは? と思いました。

他社製品の洗顔の多くは、洗顔のあと潤いを感じさせるために
保湿の効果を何らかの形で加えていることが多くなっていると感じています。
その感触に慣れた人とは、感じ方の差があると思いました。


●化粧水の吸収を高める効果
一方、シナクティフの「洗顔」には、
「クレンジング」の機能も持たせています。

「クレンジング」に「洗顔」
さらに、「保湿」も加えると機能が複雑になるのではないでしょうか?
そのため、洗顔後の保湿は、次のステップの保湿液に
担わせたのではないかと思いました。

そうした構成から、洗顔後、すぐに保湿機能を重ねる必要があり、
より早く吸収する仕組みになっているとか?

以上のことから、サボンで洗顔したあとに使う化粧水は、
同じラインの「保湿液」でないと、
作用がつながらなくなってしまうことが考えられると思いました。


実際には、他ブランドの化粧水でも、高い吸収のよさを感じることができました。
ということは、同じラインの保湿液を使えば、さらに、吸収のよさは顕著で、
洗顔後の保湿を補っているのではと思います。


●クレンジング機能
一方、サボンによるクレンジング機能は、
他社のファンデーションを使っていると劣ると感じました。
これは、当たり前といえば当たり前のことです。

シナクティフは、スキンケアをラインでそろえて使うだけでなく、
メイク品までも、同じシナクティフで使うことを、
前提としたシリーズということにもなります。

 エストのファンデーションには、「スキンシンクロフィルム」という、
 肌に密着して伸縮するポリマーの膜が含まれています。
 このように各社、より綺麗な肌に見せるためにいろいろな技術を駆使しているわけです。
 それらの技術による成分を除去する技術は、やはり餅屋は餅屋にとなるわけです。

これは、シナクティフだけでなく、どのブランドでも、ライン使いが基本です。
しかし、シナクティフの場合は、ラインの構成や作用のしかたから、
他のどのブランドのシリーズより、ライン使用することを押し出した
商品に感じられました。



◆ローションイドラタント(保湿液)
こちらの保湿液は、洗顔料のサボンを使うことにより、
より吸収されるという相互作用があります。

エイジング系のラインの化粧水というのは、
とろみ系が多くなり、利用者もそれを好む傾向があります。
これは年齢的に、とろみのあるテクスチャの方が、
しっとりとしてより効果を感じやすいためと思われます。

ところが、あえて(?)さらさらのテクスチャーを選んで処方しているのは、
洗顔で使ったサボンの浸透力をより効果的にアップさせる狙いが
あるのではと思われます。
とろみのあるテクスチャーよりも、サラサラの方が浸透力は高くなります。
また、技術的にもとろみをつけて奥まで浸透させることは難しいと考えられます。

こちらの保湿液は、美白美容液の効果も兼ね備えています。
ということは、基本的な化粧水の効果、「保湿」に、
さらに「美白効果」も同時に作用させることになり、
ただでさえ作用が複雑です。

そこに、アンチエイジング世代に好まれる、
とろみのテクスチャーも加えると、
浸透技術も、より複雑になるため、避けたのではないかと思いました。

最近の傾向では、アンチエイジング世代において、
とろみテクスチャーは、鉄板になってきている気がしています。
多くの人に好まれる使用感を捨てて、
美白効果を化粧水にと合わせるという独自路線を選択をしたのかなと思いました。

  ちなみにエストの高級路線、エターナルフローの化粧水は、
  とろみの化粧水と、さっぱりの両方を用意しています。
  とろみ化粧水は、諸刃の剣で、アンチエイジング世代に好まれても、
  若い世代には、敬遠されがちです。
  また、アンチエイジング世代でも、とろみ化粧水を敬遠する方もいます。
  そこで、テクスチャーの好みが分かれやすい化粧水を、
  「しっとり」と「さらり」の2種類用意するというのは、いいと思いました。

  シナクティフの口こみでも、化粧水が軽いという声があり、
  アンチエイジング世代の根強いとろみ嗜好が伺えます。
  それぞれの好みが分かれることを考えたら、日中乳液を2種類、用意するよりは、
  化粧水を2種類のテクスチャーに分けた方が、
  ローションイドラタントもより受け入れられやすかったのではと思いました。

  ただ、とろみ化粧水の浸透技術は、難しいみたいで、
  納得できる浸透力のある化粧水はなかなかないようです。
  化粧水に美白の機能も備え、さらにとろみをつけて浸透させるというのは、
  技術的に複雑さが増しそうです。

  エストのエターナルフローは、真皮にまで浸透させる技術が売りです。
  とろみ化粧水にありがちな浸透のしにくさを、カバーしており、
  サンプルだけでもその効果を感じられ、絶賛されています。

    →https://www.cosme.net/product/product_id/2930974/reviews/ord/rec

  またクレド利用者、BA利用者も、その浸透力とコスパに一目を置いていることが、
  口こみからも読み取れます。
    →https://www.cosme.net/product/product_id/2930972/review/502039169

 (とは言っても、若い方には、浸透しない、吹き出物が出るなど不評も・・・・)
            →https://www.cosme.net/product/product_id/2930972/reviews/ord/rec/sort/asc

  質感に関する考察
  →https://www.cosme.net/product/product_id/2930974/review/502373996

  新たなコスメを検討する上で、化粧水の使用感というのは、
  選択の大きなポイントになるアイテムだと考えられます。
  慣れたテクスチャー、好みのテクスチャー、浸透力の感じ方などが
  大きく影響し、取捨選択されます。

  例えば浸透力があって奥まで浸透することは感じられても、
  つけた瞬間にその浸透を感じられないとダメとか・・・・
  浸透するなら、ほんのちょっとのタイムラグはOKとか・・・

  コスメの入口となる化粧水に、質感の選択肢を持たせておくことは、
  大きな意味があるように思いました。


◆イドラタンニュイ
こちらの乳液も、他社を利用している者からすると、非常に軽いという印象を受けます。
その一方で、すばやいもっちり感がすぐに感じられますが、
この感触は、ケミカルの効果を伺わせました。

そして、リンパ流しを加えることで、さらなる効果をより一層、感じられました。
リンパ流しについては、また改めて触れたいと思いますが、
この手技が、このシリーズの効果における、
大きなウェイトを占めていると思いました。

ここで、乳液の質感が非常に軽いということが、
次のアイテム、クレームとのかかわりに大きく影響していると考えられます。



◆クレーム
クレームの質感は、乳液のイドラタンニュイとは逆に、とても重く感じられました。
つまり、ここでもまた、前に使ったアイテムの処方との関係性が伺えます。


  乳液が非常に軽い。
  クリームが、非常に重い。

乳液とクリームの相互作用、相乗効果によって、
このシナクティフワールドが、成立するのだと思いました。



■バトンタッチ効果
一通り使ってみて思ったのは、シナクティフというシリーズは、
単独でも、それなりの効果があったとしても、
このアイテムが本来持っている効果は、十分に引き出せないということです。
高価なコスメを単品使いで使用することは、
宝の持ち腐れで、もったいない使い方ともいえます。

ライン使いすることによって、このシリーズが持っている効果が、
最大限、発揮できるアイテムであると。

それは、バトンタッチ効果であると感じさせられました。
アイテムの一つ一つの中にあるバトンを、次のアイテムのバトンへ手渡す。
それによって、効果が重層的に作用している感じがします。


一つのアイテムが、効果を発揮するためには、
その前に使うアイテムのバトンが必要不可欠で、
受け取ったバトンを、さらに次のバトンの中に組み込んで、
手渡された次のアイテムは効果を発揮、
さらに、新しいバトンに手渡していく・・・・・

そんな連鎖イメージを持ちました。
つまりこのシリーズはトータルのラインで利用しないと、
欠損状態を起こしてしまうよう思われました。


そして、それそれの作用機序が、他のブランドとあえて(?)変えてあり、
違うポジションで作用させることで、
他のブランドと併用させないようにしているというか、
併用すると、効果の重複や、相殺がおきてしまうことも感じられました。



■高価なコスメは、誰が使う?
たった3回しか使っていない立場で、
ああでもない、こうでもないと書いてしまいましたが、
私が一番、興味を抱いたのは、このブランドを立ち上げた目的というか、
どのようなターゲットに向けて、どんな戦略で世に送り出されているのか
ということでした。

正直なところ、12万のクリームなんてコスメの価格としてありえません。

一般的な感覚として、この価格帯の化粧品を、
どんな人が買うのだろう。買えるのか? って疑問を持たないでしょうか?

ヤフーの知恵袋の中にも、そのような質問をみかけました。



■ターゲットは
資生堂によれば、拡大するグローバル富裕層に向けて
世界の富裕層、アジア、米州、欧州に向けて、
スキンケアにこだわりをもつお客さま、
化粧品による付加価値を求めるお客さまに向けて・・・・・
と「富裕層」ターゲットの商品であることを明確に打ち出されていました。

(参考:超高級ライン「シナクティフライン」を発売
  →http://www.shiseidogroup.jp/releimg/2301-j.pdf)


中でも「エクスクルーシブなマーケティング」という初めて耳にした言葉。
エクスクルーシブとは、排他的・閉鎖的・独占的・専用の排他的といった意味だそうです。

ごくごく限られた富裕層の市場を構築するために投入されたアイテム
ということのようです。

  富裕層のマーケティングで聞いた話ですが、
  富裕層の方たちは、一般に流れる情報ではなく、
  自分たち独自の閉鎖的、独占的な、ごく限られた人の間でかわされる
  情報を取得するコミュニティーがそれぞれにあると言います。
  それは、ごくごく限られた信頼のおける人たちによる情報交換の場のようです。
  そのような場に、投入したいアイテムを乗せることが鍵だと。

おそらく、クレドポーボーテもそうした、
限られた富裕層マダムの場で、これいい商品なのよ。という
ヒソヒソした情報流通を狙ったアイテムなのだと理解しました。

ということは、@コスメに情報を載せるようなアイテムではないのかも(笑)

そして、ライン使いによって、最大限の効果がが得られるというアイテムの設計は、
利用者を選んで、ふるいにかけることにもつながります。

また、デパートのカウンターも、資生堂からは切り離し、
ちょっと近寄りがたいような、わざわざ行かないといけない
奥まった場所に位置して、ここでも訪れる人を、篩い分けしているように
感じられます。

そして、12万というクリームの価格は、
その価格を躊躇なく買うことができる富裕層の掘り起こしだったのだと
明確に示されたターゲットを見て、理解しました。

効果も去ることながら、そうしたブランドイメージの構築に
使われる割合が大きいアイテムだと・・・・



■ターゲットから読み取る利用者像
クレドポーボーテの利用者は、
全アイテムそろえて使える財力のあることが最低条件であると、
読み取ることができます。

一気にそろえることは、できないにしても、
最終的に全商品、利用する見込みのある人たちを、
顧客ターゲットに据えていることが伺えます。


それゆえに、単独で使ったのでは、
何か物足りなく十分な機能が得られないという印象を与える
商品設計をあえてしているようにも感じられました。


クレドポーボーテ シナクティフは、

  「全」か「無」か
  「1」か「0」か
   All or Nothing    


そんなコスメなのだと思いました。


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