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メイク:メイクの考え方は「パース」そのもの・・・  ところで「パース」って何?

メイク:メイクの考え方は「パース」そのもの・・・  ところで「パース」って何?

RUKIAさんが、
  ○美容に良い家を建てたい~あったらいいな、こんな家~
     →https://beautist.cosme.net/article/346401

という記事を投稿され、次のようなコメントをされていました。

「パースの手法が分かると物を立体的に捉えることが出来るようになるので、
 同じ立体的な顔を対象とした化粧も上手くなりますよ!」


「メイクの考え方ってパースそのものですよ。
 陰影の捉え方やハイライトなんて正にパースです!
 チークもアイシャドウも立体を意識して使えば
 シャープな印象や明るい印象を与えることも自由自在!
 立体的な顔に施すメイクを平面の鏡を見ながら行うのですから、
 照明を当てて色んな角度で自分の顔を見るべきです!」


なるほど・・・

なんとなく漠然とわかるような気はします。
でも、本当の真意は理解できていない気がするのです。


■パースは、どこから見るかがポイント?

「パースの手法が分かると物を立体的に捉えることが出来るようになるので、
 同じ立体的な顔を対象とした化粧も上手くなる」

これは、今ちょうど、いろいろな角度から物事を見ると、
見え方が変わるという記事を書いていたこともあり、
わかる気がしています。

パースという手法は、物を見る時に、
どこから見ているかという「視点」がポイントという理解を私はしています。
その視点をどこに置くかによって、描かれ方も変わるわけです。

 物のをいかに見るかということは、
 「視点を移動させながら見る」ことでもあると思うので、
 ある意味、パースの捉え方と似ていると思いました。
 見る位置によって、対象物もいろいろな見え方をする。
 そんな物の見方の基本が、パースという描き方の中にあるような気がしました。


■パースとの出会い
ところで、みなさん、パースってご存知でしたか?
聞いたことがありましたか?

私が始めてパースという概念を知ったのは30歳を過ぎてからでした。

たまたま、主婦でも簡単に使えるお絵かきソフトを使いこなすセミナーがあって、
そこで絵を描いた時のことでした。

「その絵、パースが狂っているから、見ていて落ち着かない」と言われたのです。

なんですか?! それ・・・状態です。

簡単にレクチャーを受け、スタッフからも、
「そこまで、必要なの?  いいんじゃない?」
「誰もそんなこと、見てないでしょ・・・」という声も上がったのですが、

「見る人が見るとおかしく感じてしまうんです」
と言われがら、それに沿って描くようにしました。

ところが、何年かすると、雑誌や書籍の挿絵を見て自分も言ってました。
「このイラスト、パースが狂っているから、なんか、安定感ないのよね・・・」
と言っている自分がいます。(笑)


■パースについて、勝手な説明

パースについては、ちゃんと勉強をしたわけではないので、
自分なりに理解していることを説明すると・・・

さいころのような立方体を書いて下さいと言われたら、
どのように描くでしょうか?

大抵、下記のように描くのではないでしょうか?



正方形の四角を書いて、
その上に並行な斜め線で奥行、そして並行線でとじます。
側面も全て並行に線を結んでいきます。

ところがパースの描き方は違うのです。
下記のような描き方を見たことないでしょうか?


▼一点透視図法


一つの視点から見て描かれています。
その視点の位置を変えると、また、違う描き方になります。


▼二点透視図法


こちらは2つの点から、見ています


▼三点透視図法

さらに、こちらになると3つの点から見ています。

基準点を元に、そこからどう見えるかを
描いていく感じかな?

(画像は  パース(透視図法・遠近図法) よりお借りしました)
   http://manga.lemon-s.com/pa-s.htm


■パース的見方は、他にも応用できる
このように、物事を見る時にも、
どこから見ているかということを、
意識してみることが大事だな・・・と思っていました。


この描き方は、デザイン、建築、インテリアの業界で用いられています。
しかし、一般的には、立方体を書けと言われたら、
平行、平行の線で囲むというように、習いませんでしたか?

どこで、こういう描き方を知る機会があるのだろうと考えたら、
建築関係に携わる人たちの世界、特有の描き方なんだと理解しました。

現に、わたしの周りにこういう描き方を知っている人はいませんでしたが、
デザインに携わる友人には、周知のことでした。

パース的ものの見方って、建築、デザインを学ばないと
接することができない概念なのでしょうか?
私は、運良くこの概念に接することができ、
それから、物の見方が少しですが、変わったような気がしています。

   視点をずらす、視点を加える。

これは、絵画的なことだけでなく、
物事を見る時に通じる、とても大切なことなのだと思ったのでした。


■パースを知らなくても、パース的見方ができる
私のまわりには、この概念を知っている人はまずいません。
ところが、居室内の空気の流れを表すイラスト見た時、
私は、パースが狂っている・・・と思っていたのですが、
同じように「このイラスト、視点がバラバラだね。」
と言った方がいました。

「われわれの世界でパースの考え方を知っている人は、
 あまりいないと思うのですが、ご存知でしたか?」と伺うと、
パースという概念は知らないけど、
「常に物を見る時、どこから見ているかということを、頭に置いていれば、
 このイラストがおかしいってことは気づくよね」
と言われていてびっくりしました。

その方は、研究生活をされていたので、そこから身につけた物の見方の習慣が、
パースという概念を知らなくても、おかしいということを、
感じさせてしまうということがわかりました。

そして、「よく海外旅行に行くのだけど、写真をお願いするときも、
頭が切れていたり、入れるべきものが入っていなかったりすることが、
よくあるんだけど、きちんと物を見てないってことなんだよね。」

そんなお話をされていました。


■今の中学生はパースを知ってる!
こうしたものの見方は、ちゃんと教えた方がいいのに・・・
と思っていたら、
友人が、子供の美術の試験の内容について話していました。

「最近の中学生の美術の問題、結構、難しいのよ。」
「絵画を見せて、この絵の構図は、
 一点消失法か、二点消失法かとか聞いてくるのよ・・・」


えーーーー!

私は30過ぎて、パースという概念と出会ったのに、
今は、中学でそれを教えているのです。

こういう物の見方を知っているかいないかは、
あとで振り返ると、大きな違いになると思ってました。

いいなぁ・・・・ とうらやましく思ったのでした。


■メイクの考え方はパースそのもの
ここまで、書いてきて、「メイクがパースと同じ」という意味が
少しわかりかけてきた気がします。

立体的な顔を、鏡という平面で見た状態で、メイクをするのはおかしい。
立体で考えるべきと言われる美容関係の方は、何人かいらっしゃいました。

メイクがパース。と聞いたのは始めてです。

つまり、顔をバースで描くと想定し、
まずはどこに視点を置くかということなのかなと思いました。

視点をまず、左右、正面など、どこから捉えるか。
そしてそれぞれの高さを変えみる。
斜め下、真横、斜め上、というように、いろいろな角度から顔を
立体として図面のように捉え、
そこから見えるものが、光の入り方でどう変わるか、
より立体に見えるにはどこに光を集めればいいか・・・・

顔を3次元の立体と捉えて、それをより美しく見せるために、
カラーや光を利用する。

そんなふうに捉えることなのかな・・・と自分なりの理解をしました。


メイクは、あまり関心のあるジャンルではなかったのですが、
こういう、自分が知っていることと何かつなげて、表現していただけると、
興味が持てるようになります。


パースという物の描き方を、ちょっと知ることで、広がる世界があります。

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【2013.9.8】追記:パースを教えるのは先生次第

ラリック美術館で、作品をメモしながら鑑賞していたら、
「何をメモされているんですか?」と声かけられ、
いろいろお話をしていたら、美術教育をいかにすればいいかという
研究室にいらっしゃる方でした。

それはそれは・・・・

自分自身も美術には興味が全くなくて、
でも、ちょっとしたきっかけが興味をもたらしてくれる。
そんな機会を美術教育を通して、与えられていたら
自分の世界感も変わったんだろうな・・・と常々思っていたので、
立ち話でひとしきり話し込んでしまいました。

そこでお話したのが、このパースの話。
パースというものを、知らない人がとても多い。
この物の見方を知っていたら、その後の世界感は、随分変わるものだと思う。

最近は、中学の美術教育で教えると聞いているけども、
どのように教えているのか。
教科書で? 美術に教科書なんてあったっけ?
教科書にそんな記載が今はされているってこと?
それとも、授業中に、作品解説かなにかでするのかしら?

と思っていたら、それも先生によるのだそう。

理系過程からの先生は、知らないので教えることができないのだけど、
美術過程の先生だと教えることができる。

あたる先生によっても、パースに触れられるかどうかが別れ道になるんですね。



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【コメント】
● キトキトさん100がコメント'12/11/3 12:54
>RUKIAさま 距離、角度・・・ 舞台に立つメイク、テレビのメイクが違うのもそういうことなんですね、パースの消失点が画面の外にあるタイプを今回見ましたが、舞台メイク、講演会メイクは、消失点が遠くにあるの時のメイクだと理解しました。また、テレビは平面で見るので、影をつけたりしてはっきり見せたりそして光源も・・・ 

女優ライトと言われるように、ハレーションを起こしてシワを隠したり。新しいクリームつけてシワが減ったと思っていたのですが、外で見ると、なんだか変わらない。そうか、最近、メイクの場所にスポットライトをつけたせいだったのかと気づかされました(笑)
 
 
● RUKIAさん50がコメント'12/11/2 19:59
あと、僕の記事のコメント欄にも書きましたが、パースに加えて『光源』も重要ですね。光の当たる角度や強さで影の位置や形、範囲、濃さが決まりますから。スタジオで写真撮影する際やプリクラ、写メを取る際などに一番見栄えする顔の角度や小顔に見える角度で撮るのが良い例です♪皆さんにも感覚的には身についていますよ!
 
● RUKIAさん50がコメント'12/11/2 18:01
こんばんは!メイクにおける視点の定め方は他人の視線を意識することです。例えは、背の低い女性が背の高い男性に寄り添うと、男性は女性を見下ろす格好になりますね。メイク中の鏡と実際の人の目線とは角度も距離感も違うので、『誰にどんな距離から自分を見てもらいたいのか』というのが大切だと思います。
 
● キトキトさん100がコメント'12/11/2 16:40
>ひだりまわりさん 私もメイクとパースがいっしょと聞いて、目からウロコでした。でも、全く違うものがつながると、そこに興味が深くなるんですよね。じゃあ、パースを知っていたらメイクがうまいかは別問題でもあると思うのですが(笑)ひだりまわりさんが紹介されているネイルもパース的捉え方があるのかも!
 
● ひだりまわりさん100がコメント'12/11/2 16:06
高校生の頃パースを描くのが好きで、建築士を若干夢見たことがあったんですが、メイクとパースがつながるってのは先日コメント頂いて驚いたことでした。そんな私が果たしてメイクが上手いかどうかは・・・(笑)



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