マニア記事:動物愛護管理法の改正のはなし。
2013/10/14 17:52
久々のマニア記事はこの9月に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」に関することです。
今回の改正で何がどう変わったのか、飼い主側からの観点を中心に概要を書きたいと思います。動物を飼っている方、これから飼いたい方向けに。
最初に断っておくと、この法律はあくまで動物愛護「管理」法であって、動物愛護法ではありません。
動物を愛護することは大切ですが、人間がそれを「管理」するということも含まれています。
急進的な愛護団体などはとにかく「愛護」に偏って考えてしまいがちですが、あくまで人間を基本とした法律であることを忘れてはなりません。
今回の改正では主に飼育される犬猫に関することが多いです。
飼い主だけでなく、ペットショップなどの動物取扱業者に関する規制も強化されました。
【動物を飼っている方は】
法律の内容に飼い主の「終生飼養」について明記されました。
飼い主は動物がその命を終えるまで、愛情と責任をもって飼わなければいけません。
【動物の引き取り】
飼えない犬猫の保健所などの行政機関への引き取りについても厳しくなりました。
改正前は行政は「引き取らなければならない」とされていましたが、
身勝手な理由での引き取り希望者に関しては「拒否することが出来る」とされました。
新たな飼い主を探す取り組みをしていない、繁殖制限をしていない、ペットが高齢・病気、などと言った身勝手な理由は引き取り拒否の対象になります。
【飼い主の明確化】
マイクロチップの挿入は今回の改正では義務化されませんでしたが、鑑札や迷子札等を利用し、飼い主が分かるようにしておかなければなりません。
【災害時の対策】
東日本大震災を受けて、災害時の対策についても明記されました。
都道府県は計画の中に災害時対策を盛り込むことが義務付けられました。
しかしまずは飼い主が常に備えておくことが必要です。
離れ離れになっても飼い主が分かるようにしておくこと、必要な餌等の物品を備蓄しておくこと、避難所や新しい飼い主との生活にもなじめるようしつけておくこと、などが必要です。
【多頭飼育の適正化】
一般の飼い主が多くの動物を飼い、騒音や悪臭など周辺に対する問題があると認められる場合等、行政は飼い主に対し、改善勧告・命令を出すことが出来るとされました。
異常な鳴き声が長時間続く、栄養不良の個体が多く認められる等、飼い主の管理が不完全であると判断される場合は虐待に当たるとされました。
【動物取扱業者の規制】
ペットショップや動物園、ペットホテルなど、動物を扱う事業者を動物取扱業者といい、行を営むには行政への登録手続きが必要です。
今回の改正では、特に「犬猫の販売・繁殖を行う業者」に対し規制が強まりました。
犬猫販売業者は、適正な飼育管理をする方法を記した犬猫健康安全計画の提出が義務付けられ、頭数などの定期報告もしなければなりません。
【動物の販売に当たって】
哺乳類、鳥類、爬虫類の生体販売に当たって、販売業者は飼い主に事前に現物を確認させ説明を行うことが義務付けられました。
ネットでの通販販売でのトラブルが多かったことから、飼い主は事前に実際に現物を確認してから購入することになりました。
また、購入の際、販売業者は飼い主に対し、品種・性別・世話の仕方・罹りやすい疾病等の項目を説明しなければなりません。
【日齢規制】
犬猫の販売にあたり、、生後56日(平成28年8月31日までは45日、それ以降別に法律で定めるまでの間は49日)を過ぎた個体のみを販売することが義務付けられました。
ペットショップ店頭だけでなく、ブリーダーから購入する際も同様です。
これらの他、遺棄や虐待などを起こした場合の罰則も強化されました。
動物をこれから飼う方は、購入する業者が適切に登録を受けた業者であるのか、標識(店頭に掲げることになっている)などで確認し、施設の清掃や管理が行き届いているか確認したうえで購入しましょう。
購入時は必要事項の説明がなされるか、また疑問点は適切に回答してもらえるか確認することも重要です。
購入後は終生飼養の原則に基づき、最後までかわいがりましょう。
ここに書いた内容は環境省HPを参考にしました。
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今回の大まかな改正点はだいたいこんな感じですが、まだまだ今後の課題があります。
【今後の課題】
・鳴き声、糞の後始末:モラル問題に対する規制が難しく、明確な改善が困難。
・遺棄の対策:動物を捨てることは犯罪であるが、検挙数はごくわずかで、いまだ遺棄を行う人が絶えない。警察も含めての監視強化が必要。
・飼い主のいない猫:いわゆる野良猫の餌付け問題。各地で身勝手な餌やりにより、野良猫が増え、糞尿被害などが起きている。餌やりに対する規制が難しく、かと言って全ての地域が地域猫として猫を住民全体で世話できるわけではない。
・飼い主の飼育権・所有権:虐待や近隣への迷惑等、飼育動物に関わる問題がある場合でも飼い主の所有権が優先され、飼育動物をとり上げることが出来ない。悪質な虐待を繰り返す飼い主であっても、飼育禁止などの命令を出すこともできない。
・実験動物・産業動物(家畜):今回の改正では大きな変更点はなかったが欧米のように進んだ規制をするべきという声もある。
まだまだ多くの問題を抱える動物問題ですが、少しでも良い方向に向かってくれればと思います。
まずは一人一人の飼い主が責任を持ち、周りの迷惑等を考えて飼うことが出来れば改善するのではないかと常々思います。
最後に余談ですが、先日反町夫妻の飼育するドーベルマンの事故が話題になりました。
【記事一部引用】
反町氏の飼い犬が隣人にかみついた事故をめぐる訴訟の控訴審で、東京高裁は2013年10月10日、夫妻に対し、マンション管理会社へ1725万円の損害賠償を支払うよう命じた。
11年5月、夫妻の飼うドーベルマンが自宅マンションの隣人女性にかみつき、それを理由に女性一家が退去、賃料収入を失ったとしてマンション管理会社が損害賠償を求めていた。1審の東京地裁判決では、夫妻に対し、隣人が管理会社に支払わなかった違約金分の賠償(385万円)を命じていた。
高裁判決では、マンションの規則が小動物の飼育のみを認めていたことなどが指摘され、7か月分の賃料(月額175万円)などが損害に上乗せされた。
これは決して芸能人だからこうなったという事件ではありません。
「うちの子は大人しいから大丈夫」と言った考えではなく、何かあった際の飼い主責任というのは「絶対」です。小型犬でも少し咬みつけば事故として認識されます。
ちなみに事故を起こしたからと言って犬を殺処分しなければいけないという決まりはありません。
行政的・社会的な手続き・責任は負わなければなりませんが、最後まで飼い主が責任を持って管理飼育するのが原則です。
続きはまた。
文字ばかりですみません。
ここまで読んで下さった方に感謝!
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