メンバーのRyanRyanさんも関心を寄せているルタンスは、シャネル以前の偉大なファッションデザイナー ポール・ポワレに見出され、シャネル以後のディオール、ヴォーグでヘアメイクアップアーチストとして活躍しました。
その後日本の化粧品の資生堂のクリエイター、調香師として契約。私がルタンスの記事をはじめて書いたのは、ハウス オブ シセイドウでルタンスの回顧展があった2005年の9月のことです。
■http://blog.livedoor.jp/lifecarrer33gearkawase/archives/50543201.html
ローズペダル(薔薇の花びら)
ルタンスは映像、広告のモデルを起用するにあたって、内面と思考を重視します。
彼女たちは撮影当日まで、薔薇の部屋で過ごすのです。ローズペダル(薔薇の花びら)のスープとサラダで、薔薇の精、薔薇の棘となるまでに。
さて昨年の春、ルタンスの写真集「Berlin a Paris」の発売を記念して、「ラフィーユドゥベルラン」展(http://theginza.tumblr.com/post/48765504554/1)がありました。
ラフィーユドゥベルラン(2013)Collection Beige
ベルリンの少女
いにしえのベルリン。幻想の都市。
ディナージャケットを着てたたずむ少女の姿。
彼女は棘を持つ花。干渉しない方がいい。
雪の上、銀色の薔薇が放つ慰めと情熱の香り。
「壮麗でスパイシーな薔薇の香り」~ローズエッセンス、ペッパー
(エタノール、香料、水、DPG、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、BHT、赤227、黄4、紫401)
この香りを初めて嗅いだとき、「芸術家はどうして悲劇的な生い立ちを語りたがるのだろう。」と思ってしまった。香りは気が休まらない。わけありの香りを他の人が理解してくれているかどうか。
La fille de Berlin
この香水、どうして「少女」なのですか。どう試香しても「年上の女性」(年増の女)の香りです。~年増、それは単に年上というわけではなく。生活や事情のある女性。ルタンスの母もそういう女性だったのでしょうか。
ルタンスは世界大戦中に母親に捨てられた孤児。インスピレーションを得たのはノンフィクションのタイトル「あるベルリンの女」。邦訳は白水社「ベルリン終戦日記―ある女性の記録」です。
残虐行為とレイプに脅かされたベルリンの女の一人。映画では鮮やかな青いコートに真っ赤なドレス。こんなワケありで果敢な女性からインスピレーションを得た香水。
映画 Eine Frau in Berlin
このルタンスの薔薇の香水ラフィーユドゥベルラン(ベルリンの少女)は、花びらではなく棘の香り。
過酷な環境だった1945年のベルリンの女たちの生き方を象徴しているのでしょうか。ロシア兵に襲われないために「棘」になるか、生きのびるために「薔薇」になるか、このどちらかを。
人権を守る為に匿名で出版された1954年の4月から6月までの日記。"Anonyma – Eine Frau in Berlin"(匿名 - あるベルリンの女性)はどこまでルタンスを刺激したのでしょうね。
サマジェステラローズ(2000)Collection Beige
サマジェステラローズ、ラフィーユドゥベルランに比べると甘い。
薔薇の女王
はじめに広がるのは、爽やかな朝露を思わせる香り。
そしてビロードのようになめらかな花びらが姿を見せる。
香りはさらに豊潤さを増し、心をかき乱すようなあでやかさとなって立ち上る。
薔薇。そのものが偉大な調香師である花。
「女王陛下の薔薇」という香水。
Sa Majeste la Rose
世界中から集めた香り。
ローズエッセンス、ブルーカモミール、ライチ、ユソウボク
(エタノール、香料、水、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、BHT、黄203、黄5)
ラフィーユドゥベルランに比べ、気品のある甘い香りですが、薔薇の深い香りのするものではないのですね。
ただ、女王陛下の薔薇というだけあって、「ベルリンの少女」とは一線を画くする香り。
ルタンスの薔薇の香水には、パリ・ロワイヤル限定での「ローズドニュイ」があります。こちらは私の口コミから~
■セルジュ・ルタンス / ローズドニュイ(夜の薔薇)
https://www.cosme.net/product/product_id/286479/review/503808198
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