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遺伝子コスメ:(2)シスレーのスプレミヤから遺伝子コスメを考える(3年後の今)

遺伝子コスメ:(2)シスレーのスプレミヤから遺伝子コスメを考える(3年後の今)

「遺伝子コスメ」というものが、どのように働いているのか、
スプレミヤを発売した、本家本元、シスレーのHPで
商品の解説を見ても、どうもよくわかりませんでした。

そんな中、下記の記事がとてもわかりやすく
解説されていて、私の頂いた疑問も含め、
明確に解説されていました。


■納得できる「遺伝子コスメ」の解説
○今、細胞レベルで肌ケアブーム! その真相とは?
  →http://xbrand.yahoo.co.jp/category/beauty/4103/1.html

美容雑誌の「美的」の記事なのですが、以前も私が疑問に感じた
美容業界のことを、中立的な立場で的確に、
解説されていると感じていました。

コラーゲンについて調べていたときも、
美容情報ではあまり語らないことを、きちんと解説されていて、
感心したことがありました。

http://xbrand.yahoo.co.jp/category/bodycare/6043/6.html

今回も、いろいろ調べてもなかなか、実態の見えなかった
遺伝子コスメについて、納得できる情報を
提供されていると感じさせられました。



■「遺伝子コスメ」について
内容をかいつまいまみますと

まず、遺伝子コスメが2009年にいろいろと発売されました。
その背景に、2000年、ヒトゲノムが解明され、その後の研究が進み、
化粧品にも遺伝子レベルでアプローチするという
作用が応用されたそうです。

ここで、遺伝子、DNAという言葉を何気なく使ってしまいますが、
言葉の意味が、それぞれに違います。
詳細についてはこちらに説明されています。

 ○文系女子にもわかる遺伝子基礎用語
   →http://xbrand.yahoo.co.jp/category/beauty/4103/2.html

文系女子にもわかると言われていますが、ここはやはり、概念的なイラストとか、
基礎化学の知識を伴わないと、理解しにく世界だなと思います。

私自身も、「DNA」と「遺伝子」同じものだと思っていました。
お恥ずかし~

よくDNAが設計図と言われるのは聞いたことがあると思います。
このDNAの中のアミノ酸の配列によって、
体の組織の設計図ができているわけです。

その設計図の中に、将来予測される病気や、
肌の変化などの情報が、すでに将来図として盛り込まれてしまっているわけです。

なので、「遺伝子コスメ」というと、
この設計図を書き換えて(=アミノ酸配列を変えてしまって)
ゆくゆくは、シワになると設計された肌を、
シワにならない肌へ書き換えてしまうコスメと、
考えてしまったわけです。


そこで、美的では次のように紹介しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
「遺伝子コスメは遺伝子をがらりと変えるわけじゃない」
多くのメーカーが『遺伝子に着目』とうたっているのは、ずばり、
遺伝子そのものに働きかけてその配列を変えてしまうわけではありません。
現段階では、“遺伝子の修復やその活動をサポートする酵素を活性化させる”
というメカニズムのものがほとんどなのです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なるほど・・・・
そういうことだったのですね。
このお断り書きを、いくら探してもみつけることができなかったのでした。

そして、このようにも言われています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「遺伝子そのものに働くとなると、これはもう、
 “化粧品”ではなく“医療”の分野になってしまいます。
 それでも、日進月歩で進む遺伝子の解明結果を受けて、
 化粧品にそのテクノロジーをどう応用できるのか、
 今後もさまざまな研究成果を期待したいですね」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そうそう、ここなんです。
ここのところを、ちゃんとメーカーは説明する必要があると思うのです。
そのあたりを曖昧にされているという印象を持ってしまったため、
だから美容品業界は・・・というように思ってしまったのです。

そして、今後の研究として、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「たとえば将来、個々のお客様の遺伝子を解析して、
 『シミができやすいタイプ』『シワが出やすいタイプ』など、
 遺伝子レベルの肌診断ができる可能性もゼロではありません。
 ヒトゲノムが解明された今、遺伝子コスメの可能性はますます広がっていくでしょう」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とされていました。
私は、「遺伝子コスメ」と聞いて、
上記のことをしようとしているのだと思ってしまいました。
しかし、それには、まだ、時期尚早だと・・・

それぞれの遺伝子情報に合わせて、
遺伝子を操作するのではなく、違うことろから
アプローチして、すでに出来上がっている設計図を、
少し良い方向へ持っていくような化粧品と理解していたのでした。

それが、遺伝子が活動するときに作用する“酵素”を活性化するという
着眼点のものだったのでした。

やっと納得できる情報に出会えた気がしました。


■誤解を招く表現とわかって使ってるということ?
ところが、メーカーの開発者のお話は、
「遺伝子コスメ」というネーミングが、
「遺伝子そのものに働きかけてその配列を変えてしまう」という
誤解を与える可能性があることを、わかっているとも言えます。

それなら、もう少し、そのあたりの説明を、
美容業界としても、きちんとしておく必要があるのではないか思うのでした。



■遺伝子は変化する
すでに情報が組み込まれて設計図となった遺伝子ですが、
その遺伝子は、外的要因、内的要因によって、
変化することがわかったと言います。

紫外線や、加齢などの影響によって、遺伝子は変化します。
その変化した状態のまま、複製されて増殖していきます。
そんな遺伝子に、酵素を働かせて、修復させようというのが遺伝子コスメなのでした。


■表面に塗っただけで効くのか
よく他の美容成分なのでは、塗っただけでは、分子量が大きくて吸収されない
と言われるものがありますが、遺伝子コスメは、塗っただけで効果があるのでしょうか?

効果は充分ありえるということです。
しかし、この効果は直接的なものでなく、間接なものだといいます。

酸化や紫外線などで、遺伝子の働きが変わってしまったとき、
抗酸化剤などを配合すると、間接的に遺伝子の働きを
コントロールすることができるそうです。


間接的な作用というのは、捉え方をどう理解するか
ということにもなるかなと思いました。
間接的作用を効果として認めるかどうか。
そして、この考え方というのは、「遺伝子コスメ」とあえて言わなくても、
いままでの化粧品の作用と変わらない気がするのでした。

しかしながら、遺伝子という視点をコスメに加えたことで、
その可能性がとても広がったと思いますし、
老化しない遺伝子なんて見つかって、
それを応用して、うまく取り入れたコスメができるかもという
可能性もあるわけです。
いろんな意味で、期待が広がります。


■シスレーのスプレミヤの作用について

シスレーHPで、解説されているメカニズム。
どこにあるのかなかなかみつけることができませんでした。
いくら読んでもわかりません。

http://www.supremya.com/ja/index.html

4つの植物からなる『フィト コンプレックス LC12』が主成分というのですが、
これらはどういう成分で、どういうふうに効いているのかの説明が、
全然されていないのです。

ビデオでも解説されいます。
最先端の技術をイメージさせるのですが、
核心にはふれていません。
http://www.supremya.com/ja/film.html

やはり経験科学のメーカーなのかな。
そういうところが、科学を感じさせないのよね・・・・
と思っていたら、それには事情があったようです。



■効能を明確にできない理由があった
現在、特許出願中のため、今は、その成分を明かすことができないのだそうです。

「遺伝子コスメ」は、効能がよくわからない。
そのあたりの記載が曖昧で、つかみどころがない。
と思っていたのですが、
「薬事法」の関係で、明確な効能を書けないという理由もあるようでした。


最初から、よくわからない表現のコスメだなぁ・・・・
と思っていましたが、「特許」の関係、「薬事法」の関係、
そんな制約があったからというのも、わかりました。

さらに・・・
ほかにも「遺伝子コスメ」がいろいろ登場しているようです。
ところが、この「遺伝子コスメ」という言葉も、
薬事法では使えないのだそうです。

確かに、シスレーでそういう言葉は使われていませんでした。


「遺伝子に働きかけるコスメ」

言葉上だけでとらえても、
人によってはいろいろな解釈を生むことが想像されます。

さらに、薬事法などの規制で、
書けること書けないことがあり、
よりわかりにくくしている面もあるのだということを、
理解しました。

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【参考】遺伝子コスメについて参考になったサイトです

美容意識は遺伝子をも武器にする
  ○見た目年齢を20代で止められるか? 急成長する遺伝子美容ビジネスの行方
   →http://www.cyzowoman.com/2011/08/post_4019.html

こちらではさらに進化した遺伝子利用として、
遺伝子そのものを知りたいというニーズに応えるため、
遺伝子を調べて自分の将来に起こる美容・健康上のトラブルを
未然に防いでいこうというものが紹介されています。

化粧品会社でも遺伝子検査にアプローチする動きも出てきました。
ダイエットと美肌のための遺伝子検査キットを販売するメーカー。
日本初の製品で、シワ・しみ・たるみなど肌の老化傾向が分かり、
その傾向に合わせた効果的なケア方法をアドバイスするそうです。

というように遺伝子検査による美容や健康の予防対策が始まっているようです。



話題の遺伝子美容 ここまで進化している!
○遺伝子と美しさの関係って?
   →http://kirei.biglobe.ne.jp/around40/beautyinfo/

  遺伝子について、また遺伝子に関する基礎用語の解説がされています。


○各ブランド 長年研究の成果 遺伝子コスメ
   →http://kirei.biglobe.ne.jp/around40/beautyinfo/vol2.html

「これまで、各ブランドとも
 細胞に働きかける成分や肌の生まれ変わりを助ける成分を見つけ出し、
 研究を重ね、化粧品に配合してきました。
 また、ここ数年で遺伝子レベルの研究が飛躍的に高まり、
 これまで発表された各社の研究成果が証明され、
 今までのアプローチが正しかったと遺伝子レベルで裏付けがとれるように。
 この背景により、最先端コスメの信頼性がグッと高まり、
 2009年は多くの商品がヒットしました」

つまり、これまでの細胞に働きかけてきた成分の研究が、
遺伝子の解明がされたとにより、
これらの反応の中に、遺伝子レベルで説明ができるようになった
ということなのだと思います。
最初に感じた、今までの作用と結局、同じことなんじゃない?
と思ったのと同じだと思いました。


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■遺伝子コスメについて
○遺伝子コスメ:(1)シスレーのスプレミヤから遺伝子コスメを考える(3年前)
  →https://beautist.cosme.net/article/396425 ←前の記事

○遺伝子コスメ:(2)シスレーのスプレミヤから遺伝子コスメを考える(3年後の今)
  →https://beautist.cosme.net/article/408735  ←ここ


【関連】シスレー
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■カウンターめぐり
○カウンター:【シスレー】旅館アメニティーで使っていたなじみのあるブランド     →https://beautist.cosme.net/article/333063    
○シスレー:【カウンター巡り】3ヶ所巡ってみた
  →https://beautist.cosme.net/article/412466

■シスレーのイメージや美容理論
○【シスレー】のイメージ フィトコスメトロジー(植物美容学)って?
  →https://beautist.cosme.net/article/402377
○【シスレー】との出会いと、香りの感じ方の変化
  →https://beautist.cosme.net/article/401578

■アイテム使用感
○【シスレー】を代表する「エコロジカルコンパウンド」を使ってみました
  →https://beautist.cosme.net/article/407138
○【シスレー】スプレミヤを使いました!
  →https://beautist.cosme.net/article/403246
○シスレー:「ブラックローズクリームマスク」「シスレイヤー」の使用感
  →https://beautist.cosme.net/article/410293

■効果
○お肌診断:過去最高のバランス! 理由がわかっても喜べないのは・・
  →https://beautist.cosme.net/article/426065


【コメント】
●キトキトさんがコメント'13/2/13 11:26
>Mint☆さん 番組では、生活習慣や環境が、遺伝子の働きを変えるというお話で、これよく考えたら、当たり前でもある気がしてきました(笑)その当たり前のことを「遺伝子」というKWを使ってスイッチが入るなんて言うと、より信ぴょう性があがる。運動、腹八分目、睡眠、節制、みんな当たり前のことなんですよね。最初、生活習慣で、遺伝子そのものが変わるのかと思ってたので、そんなことあるのかなと思っていたら、「働きが変わる」=「スイッチがON・OFF」だったんですね。動物実験のことは、私も詳しくなく難しい問題ですね。それぞれの立場と主張があるので・・・
   
●Mint☆さんがコメント'13/2/13 10:46
やり取りを見つけて、TVを見ました。 遺伝子コスメの話ではないのですが、↓のコメがあったので書かせてもらいます。 遺伝子スイッチが働くのは、運動と腹八分の食事!「腹八分」は食べることが好きな私には、とてもキツいです。(爆)そして遺伝子コスメの話ですが、昨日読んだ他の方の記事(化粧品の動物実験に反対)と繋がった気がしました。詳しくないので、間違ってたらツッコミして下さいね。
 
●キトキトさんがコメント'13/2/12 1:16
本日、放送の遺伝子スペシャル内でも、サーチュイン遺伝子が紹介されていました。運動によってスイッチオンされるそうです。ところで、遺伝子スイッチ、最初よくわかりませんでしたが、「遺伝子は変わらないけど、働きが変わる」のだということで納得。生活環境によって、スイッチがON OFFするそうです。.
   
●キトキトさんがコメント'13/2/11 19:24
本日、生命38億年スペシャル人間とは何だが放送されます。TBS21:00~ 1997年から2006年まで隔年で5回にわたり放送されてきた番組で、今回は遺伝子スイッチ。遺伝子コスメが注目される中、遺伝子の概要がわかるのではと思います。長寿や健康も扱われるので、コスメも扱われないかなと期待するのですが。korokorochanさんより、情報いただきました。http://www.tbs.co.jp/ningentoha2013/about/.
   
●キトキトさんがコメント'13/1/22 13:14
>RUKIAさん 外用のサプリ。確かにそうですね。効能を記してはいけないという縛りは大きいです。細胞膜間を埋めてリフティングですか!遺伝子というよりは、分子生物の世界のような印象を受けます。理論が先か、実感が先か・・・ その時のインパクトでも変わる気がします。実感が強ければ、理論は二の次に。後発メーカーは、これまでの研究を引き下げて参入しているので、比較的、理論がしかりしていた気がします。それに慣れると、他メーカーの曖昧さが気になってしまうのでした。(笑)
 
●RUKIAさんがコメント'13/1/21 21:42
関連記事を色々と拝見をして、スキンケア製品って外用のサプリだなぁと感じました。だから、明確な効果が定義が出来ないのだと。最近、細胞膜をくっつけ、肌内部の細胞間の隙間を埋めてリフティング効果を得るというクリームを使っていますが、何か知らないのですが、効くんですよ、コレが!実感とはこういうことかなと。.
 
●キトキトさんがコメント'13/1/20 16:30
>Misfitsさん コメントありがとうございます。理論をおいかけると頭でっかちになってしまうので、感覚というのも大事ですよね。感覚から理論か、理論から感覚か・・・卵か鶏と似てる気もしますが、せっかくの出会いを狭めてしまうのはもったいないので、バランスがとれたらいいなと思います。コスメをめぐるエピソード、楽しみにしております。
 
●Misfitsさんがコメント'13/1/18 23:17
こんばんは。コメントを頂き有難うございます。興味深く読ませていただきました。理論を考えることも無く、肌に効くか効かないか塗ってみる!の体験主義で生きてまいりましたので目から鱗です。自分の馬鹿丸出しの記事が恥ずかしい限りです笑また勉強のために伺いますね!.
   
●キトキトさんがコメント'13/1/17 17:00
>korokorochanさん サーチュイン遺伝子聞いたことあります。結局は信じるに足る信頼なんですよね。その信頼も、他のものが効いたらということも信頼になるんですよね。「納得できる」という形には、いろいろな形があると、今回、シスレーのいくつかのアイテムを使って感じました。

最初はなんか、ごまかしてる感ありと感じてました。作ってる人たちが、わかってないんじゃない?とまで思ってましたが、外に出せない事情があったってこと。それがわかるとそういうものとして受け入れられるようになって、ちょっと効果があるように感じたり。気持ちや捉え方の変化が効果の感じ方も変えてしまいました
 

●korokorochanさんがコメント'13/1/17 11:07
遺伝子にかかわるコスメ少しずつ登場してきていますね。私が通っているエステでも、若返り遺伝子=サーチュイン遺伝子配合のドリンクが発売され話題になっています。よくわからないものも、その会社のお化粧品の効果を実感したため、ドリンクも継続服用中です。まだ効果は実感していません。

いろいろ説明してもらっても、結局自分が納得できなければ他のものと同じだと思っています。予防対策に関しても、昔皮膚科のスキンアナライザーで今後のしわシミ予備軍を見たことがありますが、あくまでも現在の状態から予測したもので確実ではないみたいでした。数年経過していますが、予測通りではないですね・・・




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