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花王との出会いとイメージ

花王との出会いとイメージ

■洗剤メーカーが化粧品?
学生生活を終え卒業して就職。
それとほぼ同時期に、花王から化粧品が発売されました。

   洗剤メーカーが化粧品を発売!?

それは、ちょっとした驚きでした。
大丈夫なの? 泡立ってきたりしない?(笑)
なんて思いながらも、気づいたらそれを使っていて、
なんだかんだと30年の月日が・・・・


■2番手の魅力?
当時は化粧品と言えば、資生堂、カネボウ全盛の時代です。
洗剤メーカーが「化粧品」を作るという、当時としては信じがたい組み合わせで、
ミスマッチかに思える組み合わせでした。
先行する老舗メーカーに分け入って、新参者がどんな展開をしていくのか・・・

当初、資生堂を使っていたのですが、美容にはあまり興味を持っていませんでした。
なんだか、そんな私には、花王というメーカーが合っていそうな気がしました。
当時、主流ブランドからは、はずれたポジションの2番手のブランド。

バリバリ化粧はしないから、そこそこのメーカーでいいかも・・・・
そんなことを思いながら、選んだ記憶があります。

その一方で、従来の化粧品メーカーにはない発想や視点、
目新しさを持った商品を出してくるのではないかという、
可能性のようなものを感じていて、フレッシュマンの新鮮さに
密かに期待感を持っていたような気もします。

化粧とか、美容の常識を変えてしまうような、
斬新なモノづくりをするかも……


■洗剤メーカーがいかにして化粧品を?
そんなことを思いながら使っていたら、
いかにして、洗剤メーカーが化粧品を市場に浸透させたかという、
花王のマーケティングの手法がテレビで紹介されたことがありました。

当時、花王から化粧品を発売! と聞いた時に、私も思いました。
「洗剤メーカーの化粧品?  大丈夫?」
だれもが思うであろう疑問を、いかに浸透させたのか。

いきなり発売しても、手にはしてもらえない。
そこで、発売する前から、口コミ形成をするという、
マーケティングが行われていました。
まず、大学のサークルや部活などのキャプテンなど、影響力を持つ人や、
友人関係のコミュニティーの広い人をターゲットに、商品を紹介し、
さらに商品サンプルを、商品説明をしながら、他の人にも紹介してもらう。
そんな方法で、口コミを形成し、発売前に、じわじわと商品の認知度や、
よさを高めていたという戦略が放送がされていたのでした。
うろ覚えですが、確か汗に強い、崩れないという特徴のファンデで、
運動部の大学生を中心に展開されていました。
そして、就職の時期に発売。購入につなげるといったストーリーでした。

このような事前の仕込み(?)が功を奏し、
発売後、当然、抱かれる「洗剤メーカーの化粧品?」
という違和感を、クリアしていったそうです。


■マーケティング戦略に乗せられていた!?
数年後になって放送されていたその番組を見た時に、
「私もそれに、はめられた一人だったんだ(笑)」と思わされました。

仕事を初めて2年目。ロッカー室で後輩に、なにげなく聞かれました。

「化粧品、何使われているんですか?」
「えっ? 資生堂だけど・・・  何、使ってるの?」
「花王のソフィーナなんです」
「あの、洗剤の花王ね・・・(笑)」
「そうなんですけど・・・ これ、結構、いいんですよ・・・ 
 かくかく、しかじか・・・・」
「へ・・・ そうなんだ・・・・」

その話を聞いて、なぜか、その帰り、店頭に行ってしまったのでした。
そして、なぜか、使ってみようと思って、買ってしまったのがきっかけでした。
その説明の内容は忘れてしまいましたが、きっと
使ってみたいと思わせるような、トークだったのだと思います。

のちに放送されたテレビを見て、
後輩は、きっと、大学時代、その口コミの担い手だったのでは?
と思ったのでした(笑)

そんなきっかけから、約30年・・・・
花王製品を使い続けることになったのでした。


■なんとなく使っていた花王製品
しかし、その間、商品のよさを感じていたわけでもなく、
単に美容に興味がないため、他のメーカーを使ってみようと思わなかったこともあり、
ただ、ただ、惰性で使っているだけの20数年でした。

よく美容ライター、美容家さんが雑誌で、化粧品のコメントを載せられていましたが、
どうして、ちょっと使っただけで、そんなことがわかるのだろうと
不思議でなりませんでした。

今、思えば、一社限定で使っていたわけです。他のものを使ったことがなければ、
その違いが、わかるはずもなかったのです。

そして、当初選んだ理由でもある、化粧品としては主流メーカーではなく2番手。
その意識をず・・・・っと、かなり長きに渡り持ち続けていました。
そのため、どこの化粧品を使っているのか聞かれて、花王の化粧品ということに、
一種の恥ずかしさのような気持ちを持っていたというのが、偽ざるところでした。


■洗剤メーカーの化粧品が、立派に成長していた!
ところが、その意識を、覆されたのは、@コスメを見るようになったこと。
そこで、多くの方が、よい商品だと認めているメーカーだと知ったのでした。

花王が、化粧品メーカーとして、立派に世の中に認められるようになっていたんだ…(失礼)
私の花王のイメージは、「洗剤メーカーが作った化粧品」という最初の認識からそのままで、
時計が止まっていたのでした。

■他社製品を知って、よさを確認
そして、美ログの記事を通して、花王の製品の本質的なことを知るようになったこと。
また、他の製品にも興味を持ち出して、使うようになって、
花王の製品がいかによかったかということを、知りました。

また、BAさんの対応や、お肌診断の内容、顧客管理、商品知識、皮膚科学の知識など、
他のメーカーさんに行くと、これまで当たり前で、なにも思わなかったのですが、
花王のシステムが、とても素晴らしいものあり、
接客も利用者の心を捉える技術を持っているということに気づかされました。


■利用者の心をつかむ
花王のマーケティングは、事例研究などで、よく教科書的に扱われると耳にします。
リピートシステムなど、いくつかの化粧品メーカーを訪れましたが、
利用者心理を上手につかんでいて、秀逸だと感じさせられました。

また、ブランドイメージは、当初、二番手ブランドという認識からスタートしたように、
世間の評判も、高級イメージはなく、おばさんぽい、庶民的、主婦が安くすます化粧品。
地味、堅実、商品はよいというイメージをもたれているようです。

確かに、デパートブランドであるエストに足を踏み入れた時も、
近寄りがたい高級感ではなく、
私でも利用していいかも・・・って思わせる親しみやすさが、
デパートカウンターでありながら、庶民的と感じさせられ、
カウンター利用のハードルを下げさせている気がしました。

高級志向なら、もっと他のブランドを求めるのだと思いますが、
私には、とても心地よく合っていると感じさせられました。

そして、BAさんたちの接客が、利用者の立場にたった、
心をくすぐる接客であることも、ブランドのイメージ作りに一役をかっていると思いますし、
大切なマーケティングの要素なのだと思いました。

↓以下、花王の接客を通して感じたことです。

〇カウンター:【ソフィーナ】スーパーのソフィーナ ーどの売り場も変わらない花王のBAさんたちー
  →https://beautist.cosme.net/article/259476
〇カウンター:【ソフィーナ】ドラッグストアのソフィーナ ーコスメに目覚めさせてくれたBAさんー
  →https://beautist.cosme.net/article/259007
〇カウンター:【エスト】その気にさせるトーク術 & 顧客管理
  →https://beautist.cosme.net/article/257097
〇カウンター:【エスト】はじめてのデパートコスメカウンター(エスト)
  →https://beautist.cosme.net/article/257053


■BAさんの研修 商品作り
美ログで記事を書き始めたら、ソフィーナのBAさんの記事に出会いました。

  〇10代の頃からずっと・・・(by Onyxさん)
    →https://beautist.cosme.net/article/217489

UVカットミルクのお話は、そうそう、昔は、そういう名前だったわ・・・と
懐かしかったです。

その一方で、つい先日も、
「花王のUV入の乳液をずっと使っているのですが、
 首とか、他社の日焼けどめを使うとゴワゴワするので、
 あるブランのUV乳液を、体の日焼け止変わりに使っていたんです。
 先日、また、おまけでついてきた、体の日焼けどめを、ひさしぶりに体に使ったら、
 アルブランンの、UV乳液は、とってもいいものだって思いました」
という話をしていたところでした。

「花王のUV乳液は、本当によくできていていいものですから、
 これを、ずっと体にお使いになられていたとしたら、他社のものは使えないと思いますよ」
という話を、丁度、聞いていたところでした。
Onyxさんのブログはその開発の裏舞台を拝見したようで、
BAさんの言葉の裏付けのようでした。

そして先日のお手入れ会の時も、
「アルブラン、エストの、おまけの化粧水の容器、同じなんですよね」という話から、

「花王は家庭用品もあるので、容器も材料もすべて自社で作ってます。
 他社さんは、容器をそれぞれのラインで変えたりしてますが、
 花王は、同じ容器を使って、容器の「型代」分のコストを下げたり、
 容器の素材を安くする分、原材料費にかけているので、
 本当に品質のよういものを提供しているんですよ。」

「昔は、デザインもあまりよくなかったのですが、
 最近はそのあたりも、よくなってきました」

「研修で容器を作っているところなども見学に行ったのですが、
 容器が型から出てくるところなどを見たりして、
 こんなふうにできてるのかって思いました」

そんなお話をされていました。


また、ある時、花王の研修制度についてこんな話も聞きました。
入社間もない時から、本社の研修に参加することができるそうです。

そんなこと、あたり前では? と思ってしまったのですが、
多くのメーカーは、売り場のトップの方が、研修を受け、
スタッフに伝達するかたちで、行われることが多いのだとうか。
その点、花王は、最初から本社研修に参加できるので、
恵まれていると思います・・・・と。

これで、他社の説明で受ける違和感がなんなのかわかりました。
直接研修と、伝達研修ではやはり違うと思うのです。
そして、本社の研究員から直接、研修を受けているというので、
コスメの基礎の基礎を、徹底的に叩き込まれているのだと思いました。

正直なこと言ってしまえば、高校卒業、あるいは大学を卒業して、
BAさんは入社するわけですが、化学などの基礎知識を持っている人は、
ほとんどないと思うのです。
ところが、えっ? そこまでわかってるの? と思うような対応が何度もあり、
それは、実験などを経験している人でないと、言えないような内容でした。

花王ってどういう研修をしているんだろう・・・
科学の知識がほとんどないスタッフを、どうしてここまで育てることができるのか、
とても興味深かったのです。

なんとなくわかったのは、現場100回ではありませんが、
研究の場に足を運び、そのスタッフから直接、知識を叩き込まれることに、
大きな意味があるのだと思いました。

また、こんな話も。
デパートでは、他社の最新アイテムも知っておくために
勉強会が行われていたことがあるそうです。

その時に、「他のメーカーの研究員は、とても近寄りがたく、
ピリピリした印象があったのですが、
花王は、研究員とも仲がよくて、フレンドリーで、
随分、雰囲気が違うな・・・と思ったんですよ」・・・て

それまでも、お話をする言葉の端々に、
花王って、研修をしっかりしている会社じゃないかしら?
と思うことが多々ありました。
どこがどうとうまく言えなかったのですが、基礎理論の部分がしっかりしていて、
それをBAさんたちがしっかり身につけているという印象を持っていました。
それは、研究員さんたちとも一緒になって、ファミリーのようなものが、
形成されているからではないかと思ったのでした。

そうしたベースがあって、抑えるコストは抑え、その分、原材料にかける。
メーカー全体としてのCM露出は多いですが、
アルブラン、エストなどはCMをせず、そのあたりのコストも
材料や品質に注がれているのだと思われます。


■30年たって真の実力を知る
@コスメを利用するようになって、
そして、他社の商品を使うようになって、
これまで惰性で使っていた花王の製品のよさをより知ることができ、
好きになれた気がしています。

これまでは、なんとなく、お決まりで使っていた化粧品でしたが、
自分が使っていたメーカーを信頼して使えるようになったことは、
これまでと違った効果をもたらしてくれると思っています。


化粧品メーカーは、様々なブランド戦略やマーケティングの手法を使って、
利用者にアプローチをしていると聞きます。

それぞれのメーカーにブランドイメージがあり、何を選択するかは好みになってしまいます。
商品のよさというのも、各メーカーでいろいろな形で実感することができます。
しかし、商品選びの中でポイントになるのは、
そのブランドを扱う人なのではないかなと思っています。

ブランドイメージもよく、いい商品であることを認めて、傾きかけたとしても、
接客で「?」を感じてしまうと、そのブランドをメインに使おうという気持ちには、
ならないということも経験していいます。

  【参考】Sk2の出会いとイメージ
     →https://beautist.cosme.net/article/278969



■異業種の新しさの中の可能性
そして、自分が興味を持つブランドの傾向というのも見えてきました。

かつて、異業種の花王に何か可能性を感じたように、
最近では、富士フィルムのアスタリフトの登場に、目新しさを感じさせられました。
花王の登場と同じような衝撃のようなものがあり、
何かをしでかす会社じゃないかと感じさせられました。

その後、ヤクルト、味の素などのいわゆる化粧品とは
違うところからアプローチされるメーカーに、
新たなものを作り出してくるのでは? という可能性を感じています。

また、たまたま訪れたアテニアは、接客のよさにひきずりこまれたという例です。

〇アテニア:スターターキットを3週間使って
  →https://beautist.cosme.net/article/262846
〇アテニア:トライアルセット 使用感
  →https://beautist.cosme.net/article/250549   
〇アテニア:ブライトクールエナジーキット 使用感 
  →https://beautist.cosme.net/article/250456   
〇アテニア:ブライトエナジーキット~ハーバルシトラス~ 
  →https://beautist.cosme.net/article/248431 
〇アテニア:お肌診断
  →https://beautist.cosme.net/article/245643
〇アテニア:通りがかりにぶらりとアテニアショップへ
  →https://beautist.cosme.net/article/250462


■最大のマーケティングは現場の人の力(かな?)
そして、なんだかんだいっても、最終的には「お得感」(笑)

  【参考】〇化粧品購入のきっかけは、いろんな形のお得感 
     →https://beautist.cosme.net/article/248490 

その上での「接客」。さらに、そのメーカーの人が、自分が扱う商品を信頼していて、
大切に思っているということを感じさせてもらえることかなと思いました。

よく、いろいろなメーカーのBAさんを転々とされいる方をお見かけします。
そういう方は、接客が好き、コスメが好きなのであって、
商品に対するブランド愛はないのだな・・ 感じてしまいます。
購入する時は、自社製品を愛している方から買いたいです。


【関連】
==■■メーカーの出会いとイメージ■■=======================
〇【花王】との出会いとイメージ ←ここ
  →https://beautist.cosme.net/article/277616
〇【アスタリフト】(富士フイルム)との出会いとイメージ
  →https://beautist.cosme.net/article/278300
〇【Sk2】の出会いとイメージ
  →https://beautist.cosme.net/article/278969
〇【アテニア】との出会いとイメージ
  →https://beautist.cosme.net/article/279796

○【シスレー】のイメージ フィトコスメトロジー(植物美容学)って?
  →https://beautist.cosme.net/article/402377
○【シスレー】との出会いと、香りの感じ方の変化
  →https://beautist.cosme.net/article/401578

==■■カウンター■■===============================
〇カウンター:【ソフィーナ】ドラッグストアのソフィーナ ーコスメに目覚めさせてくれたBAさんー
  →https://beautist.cosme.net/article/259007
〇カウンター:【ソフィーナ】スーパーのソフィーナ ーどの売り場も変わらないBAさんたちー
  →https://beautist.cosme.net/article/259476
〇カウンター:【エスト】はじめてのデパートコスメカウンター
  →https://beautist.cosme.net/article/257053
〇カウンター:【エスト】その気にさせるトーク術 & 顧客管理
  →https://beautist.cosme.net/article/257097

〇カウンター:【SK2】デパートカウンターでSK2を利用したら 
  →https://beautist.cosme.net/article/257858
〇カウンター:【アテニア】通りがかりにぶらりとアテニアショップへ
  →https://beautist.cosme.net/article/250462
〇カウンター:【ジーノ】味の素の化粧品はアミノ酸がふんだんに
  →https://beautist.cosme.net/article/282764
〇カウンター:【カバーマーク】イエベ&ブルベ診断 と ミルククレンジングとの出会い
  →https://beautist.cosme.net/article/267576



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